2012/08/26

全身震撼 @Manchester Utd V Fulham

遂にこの日がやってきた。

待ちに待ったマンUの観戦だ。


いつもの英国式朝食を取りユースホステルを10時にチェックアウトし、荷物を駅に預けた。(久々に英語が何言ってるかわからない奴が登場する)
12時頃トラムに乗りTrafford駅に着くと、もうそこらじゅうが赤く染まっていた。大勢の人がスタジアムへと向かって行く。

Old Traffordは表向きはそこまで大きく感じられなかった。やや古さも感じられ、補修などを繰り返してきて今の姿になったことがわかる。そこらじゅうに売り子がいて大声をあげている、ドキドキしてきた。今日はやはり日本人が多いのか、若い人から家族連れまで結構見かける。

周囲を歩いていると、人だかりが見えた。なんだろうと見ると、ちょうどよく選手がバスから降りてくるところで、ルーニーや香川ももれなく後ろ姿で見えた。満足していると、ようやくゲートが開いたようだ。ゲートはスタジアム内にたくさんあり、自分のチケットに記載されているゲートからでないと入れない。ゲートは大変狭く肥満の人はどうやって入るのだろうかと不思議になった。ゲートをくぐるとよくあるスタジアムの内側という感じで、薄暗い中にホットドック屋があったりトイレがあったり、他会場の試合などが映し出されていた。人はまだまばらだったので、とりあえず席を確認しようと思いスタジアムに入場した。






近い。





近いーーー!



なんという近さだろう!

今までこんな近くでサッカーを見た事があったかと思う程近い。
少年時代サッカーをやっていた頃ベンチからの景色と変わらない。(ずっとベンチだったわけではない。余談)


激しく感動したままスタジアムはいつのまにか満席になっていた。アップも終わり選手が控えに一旦戻る。香川も、他の選手と3対3のパスまわしをやっていた。軽やかな動きで調子はいつもと変わらないようだ。


すると、

「オーーーーーーー」


突然地響きのような歓声とともに選手が入場する。
もう鳥肌は立ったままだ。

整列して、すぐ選手たちはピッチに散らばり、あっという間にホイッスルが吹かれた。大歓声とはこういうものなのだ。歓声で体が痺れるような感覚がした。



試合の方は、いきなりフラムの先制で始まり場内は凍り付く。
そこにいる全員が頭を抱え、全員があっけにとられ、全員がどよめいた。


しかし、マンチェスターのレッズはやはり強かった。ファンペルシーのゴールで同点。その時の歓声は忘れがたく凄いものだ、こちらの観客は声と拍手のみの応援なので、なんというかテニスの観客に近い物がある。マンUの選手がボールをカットすれば大拍手、コーナーでも拍手喝采。サイドのバレンシアにボールがつながればこれまた拍手喝采。非常に理解しやすい応援だ、ぶっきらぼうに歌ったり、太鼓を叩いたり騒いだりという事は無い。ただ全員がこれ以上無いくらいにゲームに集中して観戦しているという事だ。だからリアクションもすごい。

僕も、彼らと同じく集中していた。だからファンペルシーのあのゴールのときには他の人と同じく体が勝手に立ち上がり両手を挙げ歓喜の雄叫びをあげていた。テレビでよく見るこのシーンは集中力からなるものだったのだ。



そして、ついに香川のプレミアリーグ初ゴールで逆転。その時の歓声も凄かった。カガワコールはまだ完成されていないのか弱々しかったが、彼を讃える拍手はしばらくやまなかった。


とんでもない瞬間を目の前にしてしまったと思い涙腺が緩んだ。
さらにその後ラファエルが追加点。

後半はあまり良い内容とは言えなかった、その後香川はルーニーと交代し大歓声のもとピッチを後にしていた。途中香川はアンデルソンに何か怒られているようなシーンがあった、アンデルソンはガツガツ行くタイプなのでちょっとイライラしてしまったのだろう。テレビではなかなか見れないシーンだ。




ルーニーが心配だ。




 試合後、まぐれにもウェルベックがこちらの方に来て子供にハイタッチしていた。思いっきり手を挙げた、彼は優しいまなざしでタッチしてくれた。人生で一番腕を伸ばした瞬間と言っても過言ではない。




試合終了後の余韻も終わり、あっという間に過ぎ去っていったような感じがした。

感動しすぎて、正直香川が点を入れたとかマンUが勝った事でうれしい、という感情よりももっと違う感情が宿っていた。



会場を後にすると、どっと疲れてしまった。


その夜、慌ただしく列車を乗り継いでウィンダミア(Windermere)に移動する。電車の遅れもあり22時過ぎに駅近くに着いた。途中の駅からウィンダミアまでVirgin Trainがタクシーを出してくれて難なく着いたのだ。




激動の一日が終わった。