2012/08/18

シベリア永遠の旅(前半)

朝起きると、いつの間にか僕の部屋にいた隣りのロシア人は身支度していた。

間もなくハバロフスクに着く。
廊下に出るとリサがいて、ホームに日本人らしき人がいるよと言っている。見ると、大きな荷物の青年が歩いていた。リサは彼の鞄のチャックが全開だったことに笑っていた。部屋に戻るとその青年が何と僕の部屋と同じだったのだ、聞くとやはり日本人で大学生だと言う。コウジ君はモスクワで1泊し、その後ベルリンを経由してプラハへ。1ヶ月ほどの旅だという。

日本人がモスクワまで一緒とは思わなかった。いろいろと助かるかもしれないと思った。

16時に1000kmを超えた。意外と早いペースかもしれない。

コウジ君はいろいろな人に話を掛けては部屋に連れてきたり、酒を飲んで帰ってきたりしていた。そんな彼は鉄道マニアで、現在の距離や時間のチェックも怠らない。
3等と1等にもどうやら日本人がいた、小学校の先生のコウイチさんと金沢から旅行できたという亀岡さん夫婦たちだ。日本人の乗車率が高く驚いた。






3日目、9時起床。
朝目が覚めると頭がかゆい。仕方なく、臭いけどトイレの洗面台でシャンプーする事にした、この先これが鉄道旅行の定番行動となる。トイレでのシャンプーは意外にも開放感があっていい、シャンプーしてて急に腹痛が襲ってきても対応できる。

この日はとても有意義な時間が過ごせた。話す相手もさほどいないので、親しい友達のように乗客と話した。リサさんはなんと室伏広治の大ファンで、好きでたまらなく彼に彼女がいないか聞いて欲しいと言う。
室伏のファンなんて日本でも聞いた事が無かったので、笑いが止まらなかった。コウイチさんとは小学校の現在の様子を細かく教えてくれた。
ソニャとはいろいろな話をした。スイスのことや、なぜか軍や核や地震の話やなぜ原爆が落とされたのかなどなど。彼女は心理学者を目指しており今は精神科医で働いているという。僕がチューリヒに行く時に合う約束をした、彼女には彼氏がいて僕も同様に彼女を日本に残している事からお互いのパートナーを見たいということになり、ちょうど彼女もチューリヒに来る。楽しみになってきた。

夜はみんなで食堂車で食事をしたが以外と900p(2400円)くらいしてしまった。味の方は悪くはなかったが、大散財とんってしまった。
もうカップラーメンだけで行こうと決意する。


4日目、8時起床。朝ご飯は韓国製カップヌードル(70円)と駅で買ったキュウリとトマト。いよいよサバイバルな感じになってきた。途中の駅では決まったものしか買えないのでメニューはほとんど決まってしまう。カップヌードルにインスタントマッシュポテト(結構いける)、インスタントパスタ(信じられないくらいまずい、麺がペヤング)たまに野菜が売っている程度である。



今日はウランウデでリサさんとソニャが降りて行った。とても悲しかった。






山岳地帯を超え、バイカル湖、イルクーツクをすぎてから工場や家が多くなってきた。しかし、依然として廃墟の数が多い。たまについ先日まで戦争をしていたと言われても信じてしまうような廃墟群があった。さすがに恐怖を感じる。
となりにシュトューパという少年がやってきて、ipadをいつもいじっている。お金持ちなんだろうな。


5日目 7時起床
だんだんと起きる時間が早くなっている。夜更かしをしていない事もあるが、大きな原因は時差が毎日1時間戻るからだ。ウラジオストクとモスクワは同じ国なのに7時間もの時差があり、1日ずつ前に1時間戻るのである。ということは、シベリア鉄道に乗っている者は全員一日25時間あるということだ。

相変わらずインスタント食品を食う。アレックスというロシア人の青年と仲良くなる。

ノボシビルスクに着くと、となりのシュトューパくんとその母親が降りて行った。




つづく