2012/11/04

Ísafjörður~Grundarfjörður~Reykjavik

イーサフィヨルズルを出た。


相変わらず気温は寒いが凍えるほどではなかった。
車にエンジンをかけ、ネットでメールのチェックをする。そう、ここのゲストハウスはなぜかWi-Fiが隣の家の別館にモデムがあるらしく外の方がつながりやすい、その建物は夏季限定の建物で入れないから外でネットをする。なんとも不思議な光景だ。


この日は来た道を戻って南下する方法もあったのだが、まだ通ってない道を走りたかったので山を2つ3つ超えるルートを選んだ。道路情報のサイトで、走る予定の道を調べるとある一部の道が''Extremely Iced''(非常に凍っている)部分があるらしい、いままではスリップしやすい、や積雪の文字はあったものの、この表現は初めてだ。だが、我々の相棒は赤い四駆のジープ。ちょっとやそこらじゃ滑ったりしないだろうと甘く見ていたし、アイスランドをもう4分の3くらい走って、砂利道、凍結路や様々な道を走ってきていたので、これ以上の危険な道はないのだろうと安直な気持ちだった。


しばらく走るとトンネルが現れる。なんとトンネルの内部で、1車線になる。時たますれ違いできるスペースがいくつかあった。







 山を1つ越え、また山越え。路面もだんだん凍ってきているのがわかるであろうか。








山の頂上から来た道を望む。





この先は当然の事ながら、下りだ。だが日陰より日向に入った瞬間から道がつるつるに凍っている事に気付く。






これはまずい。もしこんな所で滑ったら、谷底に落ちて気付かれずそのまま死んでしまうかもしれない。ガードレールが肝心な所でない事に怒りを覚える。

いくつかのカーブを超えた後、それは起こった。


四駆モードでも滑るのは覚悟していた。速度制限も20km/hという標識が見えたが、これは凍っていなくても20km/hということだ。僕は10km/hくらいに落とすが急勾配と急カーブの連続でギアをローに落としてもやはりブレーキが必要だ。当然対向車なんていない、この事はすれ違いをしなくても良いと言う意味で幸いなのか、もし転落したら不幸なのかどちらか僕には判断できかねた。



次の瞬間ブレーキをゆっくり踏むと「ガーーー、ガーーー」


滑ってる。

ブレーキがほとんど利かない、そのまま車は滑ろうとしはじめる。どうやら赤いジープの方はもう諦めていたみたいだった。僕はそのまま滑って転落することを覚悟した。絢子さんを落ち着かせるために、
「落ち着いて、大丈夫だから。絶対大丈夫」

と、逆に不安にさせる事くらいしかできなかった。
彼女はこれを聞いて本当の危機なのだと悟ったという。

路面はアスファルトでない事が幸いし、わずかに土が露出している所がありそこでブレーキを踏んだ。

「ググッ」

ブレーキが利いた。。。

ふう。


だが、まだまだ難関はあった


完全に凍りついていた。先ほどの教訓を生かし、ほとんど止まっている状態のスピードで走る。標高はようやく300m下回った。フィヨルドの山の頂上付近はだいたい600くらいで400mくらいから凍った道が増えるのだ。








そして、死の山越えから脱出したのであった。だが、ぬかるんだ道も危険がいっぱいでこれからも過酷な道のりが続く。

ふと海辺を見ると。野生のアザラシだった。


その後は先の事件により集中力を使い過ぎ、目が非常に疲れた。Grundarfjörðurについてオーロラハントをするが雲が多く、さらに風が台風なみに吹いていたので諦めた、近くにある特徴的な形のフィヨルドの大きさにもかなり恐怖に感じた。







白い馬が道を塞ぐ



翌日、首都でありスタート地点のReykjavik(レイキャビーク)にいよいよ戻ることになった。
最後の200kmの道のりは非常にイージーでいままでのハードな道のりに比べると精神的にも楽であった。

アイスランド唯一の有料道路も通った。


そして、ついにレイキャビークに帰ってきた。

車はもう泥だらけだったが、ボコボコでなくてよかった。
アイスランド一周は非常に良い経験となった。景色や地球の本当の表情などが垣間みれた反面、危険がたくさんあったことも事実だが。夏場はもっと楽に1周できるのではないかと思う。もし、アイスランド1周を計画している人がいるならばホステルなども融通のきく夏場を勧めようと思う。


そしてエアウェイブス(音楽フェスティバル)が翌週から始まるのであった。