2012/10/30

Seyðisfjörður~Akureyri~Ísafjörður


アイスランド東部の街Seyðisfjörður(セイジスフィヨルズル)を後にした。目的地はアイスランド第二の都市であり北部では最大のAkureyri(アークレイリ)だ。この先は平坦な道のりではないだろうし、ほとんどが雪道だろう。慎重に運転するのを心がけ、出発した。





山間部はやはり雪が多い。滑るほどではないが、スピードを出しすぎると危ない。

数時間走り、昼過ぎに(Mývatn)ミーヴァトン湖にたどり着く。硫黄の匂いが漂う火山湖だ。休憩もかねて、以前から注目していた場所に行く事にした。Myvatn Nature Bathと言われる、南部にあるブルーラグーンのような露天風呂施設だ。
早速入る事にしたが、外は−5℃という東京出身の僕には信じがたい気温だ。男女混浴であるため、スイミングウェア着用が義務づけられている。そんなことより寒い。体がしびれるくらい寒い。外に置いてある椅子やテーブルは凍っており、見るだけで寒気が走る。

すぐにサウナの小屋へ逃げる。体が温まってから、いざ広大な浴場へと挑んだ。









あったか〜い
 しかも青い!ものすごく奇麗だ。
 ブルーラグーンに比べるとこじんまりしているが人が少なく温泉は奇麗だった。なんといっても硫黄の匂いが体をリラックスさせる。大きい所は場所によって温度にばらつきがあるが、35~40℃くらい、下の桶のような所は42℃くらいと熱いくらいだった。




温泉を後にして、近くにある火山へと向かった。
衝撃的な姿だった。こんなにぬめっとしていて、人が作ったのではないかと思うような形の山を見た事が無かったし、その大きさといい。まるで宇宙人の基地のような。。。




登ってみる事にした。山のふもとは温度が0℃くらいで余裕だと思ったが、頂上は15分くらいで着いたのだが、凍えるような強い風が吹いており、人間の来る場所ではないと悟った。




さらに2時間ほどで今日の目的地、 北部最大のアークレイリが見えてきた。我々の宿はアークレイリから10km位離れた人がほとんどいないエリアで、探すのが大変だった。ナビも詳細の場所がわからないようだし、2往復くらいその付近をうろついてもわからない。結局電話して、小さい青い看板に名前が書いてあると言われ、それに従い宿にたどり着いたのだ。

アークレイリの町並み。宿から。


宿についたが、人が誰もいない。(当然だとは思ったが)
その集落は3つの建物があり、ひとつはどうやら民家、もう2つがゲストハウスなのだと思い、電気が灯っている方へ車を移動した。車から降りて建物の中に人がいるか確認したとき事件は起きた。

タイル張りのやや傾斜のある駐車場なのだが、スケートリンクのように凍っているではないか。我々は車から降りるとすぐに滑って、慌てふためいた。こりゃダメだと思い車に戻ろうとすると、車にしがみついていた絢子氏と車が一緒にツルツルと滑り始めたのだ。

2人に緊張が走った。




駐車場にはもう1台白いバンが近くに停まっており、どう考えても僕らの赤いジープが滑る方向にある。

やばい。本当にヤバいと思い、僕はちょうど右側にいたので絢子氏にハンドルを握らせる。


が、車はコントロールを完全に失っていた。ゆっくりと白いバンに向かって滑る赤いジープ。僕が右側から運転席に移動し、絢子氏を後部座席に移動させた。
ググッという音とともにようやくバックができた。

ふうううう。

二人ともしばらく緊張の糸がほどけなかった。


翌日は北西部のイーサフィヨルズルまで約550km移動した。長い道のりだったし、フィヨルド地帯に入ると過酷な道だった。最初はオフロードもなんなくクリアしていったのだが、雨や雪でぬかるんでいるため、時折滑った。




北西部のフィヨルド地帯に入ると道は海岸に沿って南北を行ったり来たりする。10kmほど離れた先が見えるのもこの地形のおかげだ。フィヨルドの間に橋やトンネルがあるところもあるが、ほとんどないのでものすごい時間が掛かる。それも楽しみの一つかもしれない。



そしてイーサフィヨルズル。残念ながら、天候が悪くオーロラは見えなかったが、ゲストハウスで焼いて食べたサーモンがおいしかった。


翌日アイスランド一周最後の街に選んだのはGrundarfjörður(グルンダルフィヨルズル)である。だが、この翌日に最大の恐怖が待っていたのだった。

2012/10/28

Höfn~Seyðisfjörður





Höfnを出発してこの日はアイスランド東部の奥地Seyðisfjörður(セイジスフィヨルズル)に向かった。今回は道のりがかなりハードで、砂利道、凍結路、崖っぷちと恐怖を感じる箇所がいくつもあった。相変わらずの圧倒的な景色は健在だが。





崖っぷちゾーン、肝を冷やすような道であった。


国道1号線はアイスランドで最も重要な国道で、島内1周を1339km掛けて一周するのだが、国道とは言うものの、砂利道や凍結は当然、橋では1車線(ゆずり合い式)だったり、羊が道を通過したりと危険が多い道だ。

南部は比較的緩やかな道が多かったが、東部を海岸から山間部へ移ったときに一気に景色が変わった。









ほとんど対向車がこないので、道の真ん中を走るのが吉。

峠で次の街が微かに見えてきた。ここはさすがに寒かった。車の温度計は-10℃を指していた。

山小屋か休憩所か


東部最大の街Egilsstaðir(エイイルスタジル)についた。
僕らの今夜の目的地はセイジスフィヨルズルなのでここからさらに山を越え、30kmほどある。ちょうどアイスランドではおなじみのスーパーBONUS(ボーナス)があったので夕飯の買い物をした。



買い物も終わり、車に乗り込み次の街へ向け山越えを果たす。
途中の峠からやはり街が見えた、あれがSeyðisfjörður(セイジスフィヨルズル)だ。




かなり慎重に運転し、すべらないように4WDモードにして走行した。

街に着き、ユースホステルを見つけたのだが、いつものように留守であった。街を徘徊し、割と大きいホステルを見つけた。

POST HOSTELと言う名前だ。中に入るとやっぱり管理人の姿は無く電話で交渉する。
「明日君らが出る時にお金を取りにくる、部屋は206に泊まってくれ」と言う。なんと自由なゲストハウスだこと。これじゃあ30人くらい一緒の部屋に泊まってもわからないな。




夕飯は焼きそばにした。麺はアムステルダムで購入、野菜、肉はアイスランドのもの。




夜になり、オーロラハントに出掛けた。
山道を登り、北側の空に注意する。すると、小さいがもやもやと光る物体があるではないか。オーロラだ。

我々は興奮し峠に移動するが、急に雲が増えてきて見えなくなってしまった。しばらく待つもののやはり出てこない。逆の街側には月明かりで凍った湖が反射していた。

UFOが降り立つようなこの風景は何とも信じがたい現象であった。


寒さの中部屋へ戻り、ベッドに入り込み気がつくとセイジスフィヨルズルの朝を迎えた。

2012/10/26

Vik~Hofn


Vikを昼前に出発した。

やや曇っていたがこの日も太陽は終日顔を出している事が多かった。






























しばらく走ると、Mos(コケ)の大群があった。








Skaftafell(スカフタフェットル)にある
Svaltifoss(スヴァルティフォス)という滝


山道を登り、徒歩で20分かけたかいのある光景だった。なぜこんな風景になるのか不思議でしょうがない。もうアートとしか思えない。



















Kviárjökull ここは全くの偶然だった。風景に気を取られていると、後ろに氷河が見えると絢子氏が言う。
降り返ると、信じられないくらい大きい氷河が姿を現していた。

車を転回させ砂利道を走り、近くまでたどり着いた。その間に名所の案内など一切無かった。「見ればわかるだろ」と言わんばかりの堂々とした態度に頭が下がる。

余談はいいとして、この氷河は形も奇麗で大きく、目の前が池になっているので見やすい。なぜこんなにも素晴らしい景色に人が誰もいないのか、それだけが気になった。

こんな景色を目の前に僕ら以外の人が一切いない。もはや地球に僕ら以外いなくなってしまったのではないかと思うほど人気(ひとけ)がなかった。















Höfnには夕方着いた。前の日にとあるゲストハウスに決めていたのだが、そこは町外れで周囲1kmはなにもない、ただの牧草地だ。町外れと言っても街の中心からは2kmくらいである。
調べた所によると人口は1780人だという。


景色は驚きの連続で山肌頂上付近が夕日に当り、何とも奇麗な姿をさらしていた。我々はカメラを手にし興奮しながらシャッターを押した。



ゲストハウスに着いた。他の客が2組同時に着いたようだが、オーナーの姿が見当たらない。アイスランドではよくある話だ。
オーストラリア人の夫婦がオーナーと電話し、すぐに行くとの事。
その間に部屋を決めてほしいと言われる。値段は一人2500円くらいか。安い。










太陽はゆっくりとしたスピードで沈んでゆく。
太陽光は山の陰の青々しい色と雲が折り重なって、赤むらさき色のもやを作り出していた。神秘的な風景だった。

オーロラが一番の目玉と考えていた僕がいかに恐ろしい考えかもしれないと思った。
アイスランドの自然の風景は名所やオーロラだけではない事をこれが示していた。

2012/10/25

Reykjavik~Vik

Reykjavik(レイキャビク)を出発してしばらく走ると、もうそこは何も無い大地だ。岩にコケが生い茂り、辺りは緑の芝生が生えているように見える。
レンタカーは非常に快適で運転しやすい、さすがJeepの四駆だけある。砂利道でも山道のワインディングもストレスなく運転する事ができるのである。よくできた車だ。

四駆のJeepで朝のReykjavikを出ると、Vikまでは180kmほどあるが見所はたくさんあった





Seljalandsfoss(セリャランスフォス)という滝

滝の裏側にも回れる



こんなにもスペクタクルな見所が思わず見逃してしまうのでないかというくらい情報が少なく、車を運転していても看板が小さい。日本ならまずこの滝のまわりに意味の無い商店が並び、セリャランスフォス饅頭やセリャランスフォス煎餅ができるのは間違いない。






再び車を走らせる。



今回は本当に天気がよい日が多い、いつもなら突風、豪雨、大雪などが当たり前なのに風も穏やかで、毎日日光を浴びている。



Mýrdalsjökull(ミーダルスヨークトル氷河)



この氷河までたどり着くのに、火星のような風景の所を砂利道で走ってきて、プレハブのカフェから歩き約15分、ようやく氷河に着いた。氷河を目の前にしたのは生まれて初めてだった。こんなにも黒く冷たい景色だとは思わなかったが、これもまた大スペクタクルな景色であった。






Vikに近づいてきた





ブラックサンド・ビーチ






そしてようやくVik(ヴィーク)についた。街は驚くほど小さいが決して寂しい街ではない。レストランもありスーパーもあり、そして温水プールもある。人々も暖かい。

我々は温泉に入る気分で温水プールに入った。プールは16mと小さいが、温泉ゾーンは40度ありさらにサウナもついている。もちろん水着着用が義務づけられているが、バスタブの無いホテルやホステルが多いのでこちらがお風呂代わりになる。


今夜はユースホステルに泊まる事になった。

こちらが母屋

なんとも絶景なユースホステルだ。


部屋もこぎれいで、キッチンや食器も清潔感があり奇麗だ。アイスランドは人口が信じられないほど少ない街でも生活レベルは高いので、どの街に行っても快適に過ごす事ができると感じた。


そして翌日Hofnへと向かうのであった。

2012/10/24

アイスランド到着〜レイキャビク

アイスランド。。。1回の旅行で2回行ったのを含めたら4回目の上陸となる。
最初の2日間で首都のレイキャビク市内を観光した。今回は写真がほとんどになりそう。



まずは温泉を使ったプール。


デザインが印象的な多目的ホールHarpa

教会のエレベーターで登れば市内一望できる




アイスランドに住んでいる友人たちにも再会する事ができた。マミちゃんカップルと寿司を食べに行き、翌日はマイさんが自宅まで案内してくれて軽くお酒を飲みかわした。

気付いたら僕の誕生日である10月21日が近づいていた。
マイさんや彼氏のアットル君にキャンドルに火をつけてもらい、バースデーソングまで歌ってくれた。








翌日は、カフェをいくつか回った。レイキャビクは18万人の人口の割には洒落たカフェやレストランやホテルが続々と出てくる、僕が最初に行った8年前と比べるとデザインの凝ったものが増えたと感じる。街を歩く若者も洗練された服装をしている者が多い。音楽もそうだが、アイスランドは芸術的分野では人口に関係なく成長し続けているのだと感じる。

2件目に行ったカフェKEXでランチをした。この店は2年前にあったのかわからないが、初めてだった。インテリアも料理も非常にクオリティが高く感動した。






そして、翌日からアイスランド1週するために車を借りた。
初めての左ハンドルや右側通行は、最初こそ動揺したが、慣れれば簡単だった。だが、2車線のサークル状の交差点つまりラウンドアバウトはかなり苦戦した。




夜は僕の誕生日という事もあり、ペルトランという展望型のレストランへ行った


食事はもう絶品の連続で、こんなにおいしい料理を食べたのはおそらく初めてだっただろう。ワインも5〜6杯飲んでしまい、もう言う事は無かった。





レイキャビクは一応ここまでで、翌日は日本から来た林くんと合流して間欠泉や滝を見る事にした。実は両者とも行った事があるのだが、2年前は天候が非常に悪くてほとんど見れなかったのだ。





壮大な景色だった。