2012/09/03

アイルランドアライブ



室内というのに非常に寒い、ダウンジャケットを身にまといたいくらいだ。
腹も満たされていたのか、気がついたらウトウトと眠っていた。その眠りの中で、不思議な夢を見た。(大抵夢は不思議なものだが)夢の中では僕は学校の教室のような場所で授業を受けており、黒板には様々な都市伝説の詳細が書かれている。それを必死にノートに書き写していた。


場面は変わり、学校も終わって駅に向かって歩いている。気がつくと西武池袋駅の食堂でオムそばを食べる。(過去に学生だった頃よくそこで食べていた)別料金を払いレッドアロー号に乗る。トイレの芳香剤の匂いが懐かしみながら、入間市へと向かう。夕日に目をやり、まぶしさを感じる。

しばらく夢と現実を行き来して、ぼんやりと外の景色を眺める。気づくと外は曇り空で辺りは大海原だった。(ああ、船に乗っていたんだっけ俺は。)




僕は入間ではなくダブリンに向かっている船の中なんだっけ。









なんだか、とても安堵の気持ちで船に乗船していた。夢のせいもあるのか、とても静かで乗り心地もよく人も適度に少ない。昼ご飯は食堂でまたしても失敗を恐れつつフィッシュ&チップスを頼んだが、今回は当たりのようでおいしかった。
何度もうたた寝をしながらマイ・ブラッディ・バレンタインを聞いていた。


3時間でダブリン港に着いた。人々はゆっくりと船から降りていく。







しばらく空港の中のような場所を進むとパスポートコントロールがあった。ここは、もうイギリスではなくアイルランドなのだ。初のアイルランド上陸にわくわくしながらパスポートを出すと何日間いるの?とだけ聞かれすぐにスタンプを押された。



バスにのり中心部のバスステーションへと向かう。
実はこれからシベリア鉄道で出会った、あのニュージーランド人のリサさんと会う約束になっていた。携帯も使えないし会えたら奇跡という気持ちでバスステーションまで行った。

ゆっくりとバスは建物横で止まる、外を見ると、、
なんとすぐそばにリサさんの姿が!

久々の再会にこれ以上ないくらいに喜んだが、彼女はクールにじゃあタクシーに乗りましょうとすぐにスタスタと歩き始めた。
彼女は仕事終わりで、旅行中の時の姿とは大きく変わっており、僕は彼女が日常生活に戻っていることを悟った。

しばらくタクシーは見慣れないダブリン市街を走り、やがて細い路地に入った。
「ここで、停めてください」リサさんが言った。

なんともかわいらしい家だった。アパートなのだが、1階と2階への階段が日本ではあまり見ない作りになっており、さらに緑が生い茂って住みやすそうな場所だった。











部屋に入ると、これまたいい。いきなりダイニングキッチンがありその先の廊下の途中に大きめのユニットバス、その先は寝室らしい。弟も居候しているとのことだったが、彼は部屋を探しておりいないようだった。






そしてなんとリサさんは「4日の朝にダブリンを出るまでこの空気ベッドを使って居間で寝ていいわよ」
と言う。


こ、これは嬉しい。泊まっていいよとは言われてたものの、大変に迷惑だからやっぱり恐縮した。だがこのやさしさを受け止めようと思い承諾した。





そして、ダブリンの休日が始まったのだった。




アイリッシュフットボールに夢中の地元民。