2012/09/13

Bestival [後半戦]

ベスティバルの後半です。


 朝起きると、寒さで凍え死にそうになっていて体がかちんこちんになっている。
10時頃を過ぎてようやく暖かくなり、体がほぐれてくる。僕のテントはブリュッセルで買った2500円の安テントのため結露が激しく苦しんだ。しかも歩道の真横なので酔っぱらいに踏まれる事もあるし声がうるさい。なにせ、VIP TENTという恥ずかしいネーミングのせいで突っ込まれることもしばしばだ。

毎朝ぶっ壊されるのではないかとヒヤヒヤした。




VIP TENT(プリンセスをとっても酔わせると書いてある)




朝食は何にしようか、昼ご飯はどうしようか、食事はフェスティバルの楽しみの一つである。だが、中途半端な屋台がズラリと並んでいるだけじゃこちらも4、5日もそれに頼らなくちゃいけないからきちんとしたところが出店して欲しいのも願いの一つ。

フジロックはまずまず良質な屋台が並んでると言える、サマソニは申し訳ないがまずいイメージがある。プッケルポップは論外。

さてベスティバルはどうかな。。。

うーむ、見た感じ良さそうな店がある。
中でも目を引いたのは、常に大行列の「wagamama」だ。日本食チェーン店としてロンドンにいくつかあるこの店がベスティバルに出店していたのだ、wagamamaの噂は聞いていたが、実際に入った事は無かった。なので、店の料理がどんなのかはわからない。


メニューを見ると。。。




チキンカツカレー £9(約1080円)
焼きそば £7(840円)
ジンジャーチキンうどん £8(960円)
やさい餃子 £5(600円)



うーーーーん悩む。ジンジャーチキンうどんっていうのは日本食なのか!?


行列に並んでる間イギリス人同士で店員と客が「ウドン!ヤキソバ」と会話を交わしているところが面白かった。



そして、結局



チキンカツカレーにした。


まさかの主役であるはずのカツがカレーライスの下敷きになっているという大問題を除けば、スパイスのやや効いたルーと日本米らしい弾力のある懐かしい食感、カツは鶏肉だがサクサクしてて揚げたてのようで、ノスタルジアを感じた。写真に少し映っているが、何と福神漬けもご飯の下敷きになっていた事が後に判明。福神漬け界とカツ界の存在を踏みにじった一品でもあった。




その他にも手作りハンバーガーはおいしかった、フレッシュネスバーガーに似たものでかなりハンバーグがレアなのが気になったが良いできだった。まずまず良かったのが、パエリア、オリエンタル食堂のヌードル、フィッシュ&チップスならずエビの天ぷら&チップス。種類も豊富で至る所に屋台があるのでついつい手を出してしまった。そう、ベスティバルは非常にアクセスが良いという利点もあった。ステージが密集しているからだ、さすがに夜の忙しい時間帯は混むが、それ以外は非常に快適だった。




メインステージ付近





土曜日はコスチュームコンペティションがあるということで、自作のコスチュームに身をまとった人が半数以上おり今年のテーマはワイルドライフということもあり、動物の着ぐるみや自作の謎の動物、ハンター系、キラキラ系、更衣室などバラエティーに富んだコスチュームだった。








アーティストの方に話を向けると金曜はTheXXで大盛り上がり。
土曜のNew Orderが終わり、Justiceをちょっとみていると大盛り上がりにもびっくりなのだが、ステージの屋根によじ上った人が落ちるのではないかとヒヤヒヤしたものだった。






3日目のBat For Lashes
 期待していたのだが、編成が大きく変わっており過去の曲は遠い存在になったしまったようだ。その代わり新曲のできは良かったので安心した。








Sigur Ros目前
まだこんなに明るい。




夕方のSigur Rosは圧巻だった。曇り空に小雨がちらつく夕方に合っていたかどうかは別として、音もよかったしヨンシーの表情は曇り空のように無表情で悲しげに見えた。

なかでも、やはりSvefn-g-englarは感動した。ライブ中はさすがに観客も静かになっていたが、この曲の時だけざわざわし始めてまさか「チュウウー、チュウウー」と合唱が始まってしまった事は笑ってしまった。




Beak>もよかった、ジェフバーロウはシガーロスを最後まで見なくいいの?と気を使ってくれた。








今回の個人的なベストアクトは間違いなくFour Tet&Caribou(DJ set)だと思う。
DJだと思って軽視していた事が、より感動する原因を誘ったのかもしれない。ともかく他のDJやダンスアクトのおこちゃまレベルには飽きれるし、マンネリなメロディにビートは嫌気がさすなか、彼らのプレイは1枚上手の選曲であった。ほとんど彼らの持ち曲で、Four Tet とカリブーの2人が交代にプレイする。Four Tetはダブステップをトロピカルに、カリブーはアバンギャルドなリズムを繰り出してくるので思わずローラースケートを借りて写真奥の人たちのように滑り回ろうかと思った。

その後Grimesを見て就寝。




あっという間にベスティバルの4日間は終わった。
翌日、ゴミ処理場と化したキャンプサイトにテントを捨て、別れを告げた。タクシー待ちに1時間半、船に乗り電車待ちに1時間。6時間くらいかけロンドンに戻った時は心身ともにくたくたになってしまった。