2012/10/16

RADIOHEAD@Lanxess Arena,Köln



チューリッヒを後にして、翌日はフォルクスワーゲンの都、ヴォルフスブルグに行って一日中博物館などを散策した。


残念ながら、サッカーの試合はやっていなかったので長谷部の勇姿をみることはできなかったが、近代的な計画都市でありフォルクスワーゲンを中心とした近未来的なデザインの建物の数々には驚かされた。ワーゲンの博物館でもあるアウトスタッドは大規模なミュージアムであり、万博のようだった。奇麗なレストランやカフェがいくつもありパビリオンはワーゲンだけではなく傘下のアウディやポルシェ、ランボルギーニなどのパビリオンもあった。ここでは購入した車を工場からできたてほやほやの新車を受け取るサービスもあるそうだ。







そして、その日のうちにケルンに移動した。Radiohead(レディオヘッド)のライブが翌日に控えているからだ。フジロックでも見たのだが、Radioheadのライブはいつ何回見ても楽しめる、そこが素晴らしい所だ。






翌日
朝食を済ませ、昼過ぎ下見にホテルからほど近いところにある会場のLanxess Arena(ランクセス・アレーナ)へと向かった。外は真冬のような寒さ、雲がどんよりと降りていて小雨まじりだ。街は大変静かで人々も温厚だ。


会場付近に着くと晴れてきた。







会場に着いたが当然中へは入れないし、リハーサルも聞こえない。
街を観光することにした。大聖堂やメインストリートを歩いていると、中華の看板が見えた。ランチタイムはまだやっていたので入る事にした。久々の中華は胃に浸みるほどおいしかった。やはり僕はどちらかというとアジア料理の方が口に合うのかもしれない。



そして、夕方になり会場であるランクサスアレーナに戻ってみた。


開場前というのに人の数は100人くらいしかいない。とてものんびりムードだ。
僕は今日のセットリストのことで頭がいっぱいだった。何をやるか、最近の傾向と同じ物なのか、はたまた。


すぐに入り口が開いた。中に入ると、どうだろう「さいたまスーパーアリーナ」を一回り小さくしたような会場だ。僕らはスタンディングなので、アリーナ部分へと向かった。

アリーナへ向かうと驚くべきシステムが。
なんと前方モッシュピット付近は早く来た者がリストバンドを手に入れる事ができ、ある一定の人数に達するとリストバンドがなくなり、それ以上モッシュピットに入れない構造になっていた、しかもそのリストバンドがあれば出入りが自由となる。素晴らしいシステムだ。

だが、ドイツ人を前にして一つ問題が浮上した。背が高い人が多い事だ、本当に高い180以上がゴロゴロいる。参った。
上を見上げると、12個ものスクリーンたちが見えた。フジロックではいなかった彼らが静かにステージを見下ろす型で眠っている。


20時になり、前座のCaribouの演奏が始まる。
アリーナ特有のもわっとした反響音が久々にネガティブに聞こえたが、あまり気にはならなかった。
30分くらいで彼らはステージを去った。











そして21時。いよいよ、12台の宙に浮くスクリーンが目を覚ましたのだった。



1.Bloom
2.Lucky
3.15 Step
4.Morning Mr.Magpie
5.The National Anthem
6.The Gloaming
7.Separator
8.Reckoner
9.Pyramid Song
10.These Are My Twisted Words
11.Nude
12.Identikit 
13.Lotus Flower
14.There There
15.Feral
16.Bodysnatchers
(encore)
17.Weird Fishes/Arpeggi
18.Ful Stop
19.The Daily Mail
20.Myxomatosis
21.
Paranoid Android
(encore2)
22.How To Disappear Completely
23.Everything In Its Right Place
24.idioteque





#Bloom,次第に宙に浮くスクリーンがゆっくりとゆっくりと降りてくる。

#15 Step; スクリーンは横一列になり大きなライトと化す。ジョニーのギターがコミカルな奏法でかわいらしかった

#The National Anthem;久々に生で聞いた。コリンの音が最初失敗していた。スクリーンの方は、非常に視覚効果の高い演出だった。





#How To Disappear Completely


 #Ful Stop;今夜のダンサブル部門のハイライトか。とびきりダイナミックな音だった。

Everythingのトム、ジョニー、エド。そういえば曲が始まる前にまたR.E.M.のThe One I Loveを歌ってくれた、周りの人も一緒に歌っていた。

 #idioteque;Everythingからジョニーが一人で始めるスタイルは斬新だった、今回はマシンも好調のようだった。








言葉にならないくらい良いライブだった。
セットリストは信じられないくらい僕の興味のある曲が並び、また好きな曲だと笑いが止まらなかった。

印象に残った曲を書くと。。。
#These Are Twisted Words;これが聞けるとは思わなかった。何の前触れも無く、あのドラムパターンが始まった時が印象的だった。折り重なるフィードバックの数々、タイトなドラム。すべてが興奮した。
なかでも新曲のIdentikitはRadioheadの中でも一番好きになってしまっていたのだが、まさかこれが選ばれていたとは思わなかった。次のLotus Flowerと比べてしまうと、重量感には欠けることが欠点だと思ったが、エドの語りかけるようなコーラスとハイテクツインドラムとジョニーのベキベキなギターでもう失神寸前だった。
#Feral;フジロックで見た時よりも随分とお遊びが多くなっており、なかなかクレイジーな仕上がりだった。


その他The Daliy Mailにも感動させられた。
トムヨークのピアノの弾き語りで教会のように静まり返っていたが、たまらず客が声や口笛で声援を送る。トムヨークは「お前らちょっと待ってろ」と言わんばかりの顔でこちらを鼻を上げながら無表情で見つめる。そして例の大合奏大会。たまらんかった。

こんなにたくさん良い曲をいっぱい持ってるとセットリストをくむのも大変だなと思うよ。



やはり今回は復活した宙に浮くスクリーンの演出効果はかなり高い次元だ。自由自在に浮遊し、目に焼き付くような眩い光を放ちステージをいろんな形に変えて行く。今までこんなステージは見た事も無いし、こんな興奮を覚えたのは間違いなく初めてだった。Bloomであのスクリーンがゆっくりと降りてくる様は鳥肌を超えた何かが体から出てくるような感覚だった。



2時間15分があっという間だった。


ビールを飲み、久々にタバコに火をつけ二人でサブウェイでサンドウィッチを食べ、トラムがほとんどないのでタクシーを拾ってホテルへ戻った。


明日もまた見たいと思ったが、ここから離れなければならない。場所だけじゃない。心もだ、いつまでもいいことは続くものではない。

だから後ろは見ずに前に進まなくては。


今夜は彼らからそれを教わった気がした。
無垢な気分のまま。