カルカソンヌから鉄道で5時間かけカンヌ(Cannes)についた。
カンヌ。。。
カンヌ映画祭のことしか頭に無い人はあまり行かない方が良いのかもしれないと思ってしまった。
映画祭の博物館などがあり、そこではカンヌ映画祭の受賞作品たちが一堂に会しアーカイブされたブースから好きな作品が永遠に見放題で。。。。。
そんなのは夢だ。
映画を除けば、旧市街は非常に奇麗で海岸は何時間いても飽きないし、山あいはのんびりとしているし田舎独特の雰囲気があって居心地は最高だった。
だが、ブランドショップが延々と続き高級ホテルが続く海岸通りにはさすがに場違いかとも思った。
南フランスの景色はどこからどう見ても飽きない。町もぶどう畑も海も山もだ。そしてオリーブがすこぶるうまい。
翌日はモナコへ行ってみる事にした。
さすがに泊まりはしなかったが、一度でもいいから行ってみたい場所の一つでもあった。
駅からもうお金の匂いがプンプンしてきた。
おっとこれはかわいい鳥ちゃん
観光案内所のおばさんと話していると、パスポートにスタンプ押してあげようか?
と訊いてきた。
これはうれしい、どうやら国境というものがこの国には無いので、スタンプだけは観光客向けに持っているそうだ。話をしていなかったら気付かなかった。
スタンラリーをしに旅行してるわけじゃないが、こういうのも楽しみの一つだ。
丁寧に日付まで書いてくれた。
歩いていると、かの有名なカジノが現れた。うろうろしていると中国人の団体がいた。
10ユーロが入場料みたいだが、中国人の団体に混じって入ってみたら入場料を払えとは言われなかった。
目の前に広がるゲームの数々やルーレットやポーカー、バーもとなりにある。ここで一発大勝負に出たいところだったが冷静になりやめた。
外に出て、地図を広げてどこに行くかを考えた。マクドナルドの文字がある!
モナコにマックがあるのかと驚愕して早速行ってみた。若干高いが、割安で昼食をとる事に成功したのだった。日本にいるときに比べてマクドナルドさんに大変お世話になっている反面、その土地の美味しいレストランなどにあまり行けていない。世界版食べログがあったらどんなに便利かとも思うが、所詮そこは貧乏旅行者 。値段とふところのバトルに勝たないとそういった所には行けない。
こんな船に乗って優雅に地中海を漂いたい。。。無理だろう。
カンヌに戻り、翌朝チェックアウトし夜まであちこち歩いて時間をつぶした。一人になるのが久しぶりで自由だと感じた。
夜になり、カンヌ駅から夜行でパリに向かう予定である。
ホームに座っていると、隣のアジア系の青年が片言の英語で話しかけてきた。
最初は「たばこいる?」など、たわいもない会話をしていた。
「どこから来たの?」と訊かれたので、僕も「君はフランス人?」と聞いた。
が、彼の口から衝撃的な一言が発せられた
「僕アフガニスタン人」
「えっ、え、あのアフガニスタン??」
「そう」
パスポートを見せてきてので彼の言う事は偽りではないと確信した。
旅行なんかできるのか?国は大丈夫なのか?
いろんな質問をしたかったが、彼はあまり英語が喋れないしいきなりそんな事は訊けない。
家族の情報を話していると、さらに衝撃的一言が
「マイ、ファザー、イズ、タリバン」
足早にここを去りたくなったのは言うまでもない。
だが、彼の笑顔や会話をみていると旅行客らしい雰囲気が僅かにする。しばらくすると列車が来たのでやや安心した。さらに車両も違うようだ。
タリバンの息子と一夜を共にするところであった。