2016/12/20

2016 ベストアルバム #35~21


2016年ももうわずかとなってしまいました、今年はいろいろありましたという言い方のはとても平凡で、そもそもいろいろない年など無いと思い。。

まあひねくれはさておき、今年もいろいろありました。

そしてやはりこのベストアルバム企画は僕にとっての毎年恒例行事となっており2008年にミクシィでただその一年でよく聞いたアルバムを20枚紹介したのが始まりでした。
今年は8回目となりました。あと何回これをやるのかと思うと気が遠くなるのでとりあえず気が遠くなる50年を目標に頑張っていきたいと思います。

それでは始めたいと思うのだが、今年は曲ごとのランキングのトラックベスト20なるものを毎年やっていましたが、それは後かもしくはやら無い方向でいきます。先にやってしまうとアルバムの発表でトーンダウンしてしまうものを防ぐためです。(謎)

それでは今年は少しボリュームを増やして35位から21位まで一気に発表したいと思います。




#35
Future Present Past EP
The Strokes
CULT

ストロークスのEPから今年のランキングをスタートさせたいと思います。
収録曲のDrag Queenを発表した時は、久々の新譜かと心を躍らせたが蓋を開けてみればミックス曲を含むたった4曲のEPだった。シングルリリースとも取れるこの軽い内容にスルーしそうになっていたが、ものすごいパワフルな3曲だったことに驚き思わずアルバムという枠組みで35位にランクインさせてしまった。なんといっても3曲目の"Threat of Joy"は圧巻で過去の脂が乗った時代と昨今の充実期を融合させたような素晴らしいガレージサウンドである。前作から3年経っていることもありフルアルバムはこのEPを出したことによってしばらくお預けか。





#34
Light Upon The Lake
Whitney
Secretary Canadian
シカゴのフォークバンドWhitneyによるデビューアルバム。甘く柔らかくてやさしい歌声のボーカルにアコースティックよりの味付けのバンドが織り成すハーモニーは耳に残る。心地のいい気分にさせる要因はおそらく哀愁こもったアルペジオと距離をすこし取ったように聞こえるストリングスだろう。今年は各紙の注目バンドとなったことは一聴すればすぐに理解できるだろう。










#33
CSLM
Jesse Osborne-Lanthier & Grischa Lichtenberger
Cosmo Rythmatic

ドイツのエレクトロニックをどうぞ。
これは普段聞き慣れないレーベルのため非常に勉強不足だが、たまたま出会ったとあるサイトで引っかかったので購入して何回か聞いたのだが、直感的に入ってくる音が印象的で、いったいどういう作りでこのような変則的なリズムを作り出しているのかが興味深いし、淡白なリズムも僕の好みだ。


















#32
Oh No
Jessy Lanza
Hyperdub

BurialやZombyといった今をときめくロンドンのダブステップシーンを擁するHyperdubからカナダ出身のJessy Lanzaに注目してみました。2013年の1stからの2枚目だそうだが、今

カナダのダンスミュージックで女性といえばGrimesが真っ先にでてくるのであるが、個人的には全く違うところと、そうでないところがあるような気がする。こちらはGrimesよりも真面目なテクノポップでフランスのYelleなんかも距離が近いような気がするが、彼女たちよりも音マニアな感じがするのはぼくだけか。








#31
Painting With
Animal Collective
Domino

前作から4年経ち、デビューから16年とすでにベテランの域に達した感もある彼らの新作。前作は大衆的臭さが一切排除されマニア向けなものを作ったもんだなと感心していたが、今作も同様だった。コンセプトは違えど全く大衆受けするような、あるいは踊りやすいダンスチューンみたいなものも存在しない。
今回はライブ志向な作品といえよう。というかサマソニのホステスの枠のために作ったのではないかと思うほどあのフェスのステージによく似合っていた。当然と言うべきか必然というべきか小生は30分ほどで飽きてしまった。まあそんなことはさておき、彼らはとことんこのマニアック路線を突き進むべきだと感じた作品でした。








#30
Too Many Voices
Andy Stott
Modern Love


UKのModern Loveという前衛的ダブレーベルから1枚。マンチェスターのアンダーグラウンドを牽引している(?)とも思えるような"アバンギャルド"なサウンドが鳴り響く。
Bjorkのアルバムに参加したArcaなどと近い感じもするが、基本的なリズムは乱さず正統派な前衛的ダブステップとでも言うのだろうか。攻撃的な打撃音に押しつぶされそうになる。






#29
The Digging Remedy 
Plaid
Warp


Warpレコードを古くから支えてきた玄人でもう25年というキャリアを誇る彼ら。どうやらWarpは昔とコンセプトを変えない人たちが多い気がする、Warpを代表するAphex TwinやAutechreそしてこのプラッド。時代遅れというわけではなく、サウンドクリエーションの進化によって恐らく彼らはこれを恒久的にやり続けることができるのではないかと思う。
PlaidがBjorkとコラボしたのがもう20年も前だったことを考えるとこのブレなささは脱帽というしかない。







#28
My Woman 
Angel Olsen
Jagjaguwar

今年、最もインディー界隈の紙面を賑わせた一つがAngel Olsenだろう。
前作はおっとりした作風だったが今回は技術面でもプロデュース面でも内容が一気に太くなったこともあり"Shut Up Kiss Me"のような攻撃的な一面も顔を出すことになったようだ。
個人的には好きです。






#27
Day of The Dead 
Various Artist
4AD

Grateful DeadのトリビュートアルバムでThe Nationalのレズナー兄弟が4年前くらいから取り掛かったコンピレーション集。とてつもないボリュームとブルックリンあたりのインディーズのバンドがこぞって参加しているところがすごい。元のバンドのことをあまり知らないことが残念だが、フォーク調の曲が多いようだ。その曲も今をときめくバンド達がさらに磨きをかけている。強烈にハイクオリティだ。Courtney Barnettがカバーした曲が良い。








#26
Sport
Powell
XL

イギリスにアンダーグラウンドレーベル"Diagonal"を主宰するPowellによるデビュー作。全く知らなかったのでこういう発見は嬉しいがデビューが期待されていた人らしく、XLでのリリースも満を持して打たれた感じがある。作品はとても軽快なエレクトロでまさに名の通りスポーティな仕上がりとなっている。







#25
Randoms
Four Tet
Self Released



今年一番のアートワークだと思う。
去年"Morning/Evening"をリリースしたFour Tetが過去のコンピレーションへの提供曲などを寄せ集めたもの。グレイテストヒッツのような内容に誰もが大満足するのは間違いない。どの曲も時代を感じさせずFour Tet特有の綺麗なビートで埋め尽くされている。








#24
Preoccupations
Preoccupations
Jagjaguwar

ノイズとローファイなバンドサウンドが心地よいPreoccupationsのデビュー作。実は去年までViet Congという名で活動しており当ブログでも24位と健闘した。
去年のベトコンに比べると成長感が感じられた。だが僕の期待はもう少しあったようだ、去年の感動よりは下まわってしまったものの同じく24位という位置にした。








#23
AIM
M.I.A.
Interscorp

彼女がこれまで作り上げてきた作品の音楽的貢献度は圧倒的だと思う。この10年余、度々我々の度肝を抜く表現力は圧巻だった。そんな彼女も様々なトラブルに見舞われ、(というか本人発端のことが多いが)今回もリリースするしないのすったもんだももうお馴染みとなってきた。だが恐らくこういった面倒ごとが今回の"最後のアルバム"という発言に行き着いたのではないかと思われる。これが最後になるならば、しばらくこんな破天荒で天才な女はしばらく現れないんじゃないかな。







#22
Orange Out EP
Tyondai Braxton
Nonsuch Record

去年6年ぶりの新作"HIVE1"( watariwatari17位)をリリースした元バトルスのタイヨンダイ氏。早くもEPという形で新作がリリースされた。前作の充実ぶりはソロとしてのタイヨンダイに感銘を受けたのは記憶に新しいが、今作はEPという枠組みを大きく超える内容の濃さであり彼特有の実験的ループの嵐、リズミカルな打楽器の鮮明さ、大胆なサンプリングは前作"HIVE1"を超える内容であり彼の重要な作品となるだろう。個人的なハイライトは最後"Greencrop"





#21
The Catastrophist
Tortoise
Thrill Jockey


Tortoiseの7作目となる約6年半ぶりの新作が22位。
実際ここまで何回も彼らのアルバムを聴くのは初めて。終始完成度の高いシンセバンドだが、"Yonder Blue"は終始ローファイなサウンドにNicoを思わせる歌声が。。。
おっとこれは Yo La Tengoのジョージアさんの美声でしたか。














つづきは後ほど。。。