Vikを昼前に出発した。
やや曇っていたがこの日も太陽は終日顔を出している事が多かった。
しばらく走ると、Mos(コケ)の大群があった。
Skaftafell(スカフタフェットル)にある
Svaltifoss(スヴァルティフォス)という滝
山道を登り、徒歩で20分かけたかいのある光景だった。なぜこんな風景になるのか不思議でしょうがない。もうアートとしか思えない。
Kviárjökull ここは全くの偶然だった。風景に気を取られていると、後ろに氷河が見えると絢子氏が言う。
降り返ると、信じられないくらい大きい氷河が姿を現していた。
車を転回させ砂利道を走り、近くまでたどり着いた。その間に名所の案内など一切無かった。「見ればわかるだろ」と言わんばかりの堂々とした態度に頭が下がる。
余談はいいとして、この氷河は形も奇麗で大きく、目の前が池になっているので見やすい。なぜこんなにも素晴らしい景色に人が誰もいないのか、それだけが気になった。
こんな景色を目の前に僕ら以外の人が一切いない。もはや地球に僕ら以外いなくなってしまったのではないかと思うほど人気(ひとけ)がなかった。
Höfnには夕方着いた。前の日にとあるゲストハウスに決めていたのだが、そこは町外れで周囲1kmはなにもない、ただの牧草地だ。町外れと言っても街の中心からは2kmくらいである。
調べた所によると人口は1780人だという。
景色は驚きの連続で山肌頂上付近が夕日に当り、何とも奇麗な姿をさらしていた。我々はカメラを手にし興奮しながらシャッターを押した。
ゲストハウスに着いた。他の客が2組同時に着いたようだが、オーナーの姿が見当たらない。アイスランドではよくある話だ。
オーストラリア人の夫婦がオーナーと電話し、すぐに行くとの事。
その間に部屋を決めてほしいと言われる。値段は一人2500円くらいか。安い。
太陽はゆっくりとしたスピードで沈んでゆく。
太陽光は山の陰の青々しい色と雲が折り重なって、赤むらさき色のもやを作り出していた。神秘的な風景だった。
オーロラが一番の目玉と考えていた僕がいかに恐ろしい考えかもしれないと思った。
アイスランドの自然の風景は名所やオーロラだけではない事をこれが示していた。