年が明けてしまいましたが去年良かったと思うアルバムをいくつか紹介します。
今年は選ぶのに苦労しました。
22
Tyranny
Julian Casablanncas+The Voiz
21
Ghettoville
Actress
20
Its Album Time
Todd Terje
各紙高評価なのがよくわからないが、まったくノルウェーっぽくないサウンドを作るノルウェー人だなと改めて感じた。
19
Intercept
Pye Corner Audio&Not Waving
徹底したシンセとビートはかなり魅力的。
18
Morning Phase
Beck
Sea Changeの時と同じメンバーで制作したと聞いてすごく期待したこのアルバム。最近の彼のシングルがとてもノリの良いものになっていたこともあって久々の傑作の予感もした。結果は、ノリの良い曲は一つもなく、期待の方が遥かに上回ったものとなってしまった。
Sea Changeと何が違うのか教えてほしい。
17
Whorl
Simian Mobile Disco
だんだんこの人たちの作る音がマッチしていくような気がする。前作からそうだった。
16
Radio Rewrite
Steve Reich,Jonny Greenwood.etc
スティーブライヒのElectric Counterpointをピアノバージョンとジョニーのギターバージョンが収められていて、ジョニーの方は圧巻で去年100回くらい聴いたであろう。曲はピカイチだったがアルバムとしてはもの足らず。
15
American Interior
Gruff Rhys
一人でやるようになって、もう4作品目となった今作。今まで同様非常にコンセプティブで、ファーリーズとは全く違うものづくりとなっている。その部分では評価したいが正直感動は無かった。
14
Tomorrow's Modern Boxes
Thom Yorke
突如発表されたトムヨークの新作。ビットトレントという新しいハードでの展開となった。内容はビートの効いたエレクトロでどの曲も聞き応えが良い。レディオヘッドの彼と比べてしまっては邪道なのかもしれないが、消極的かつ内省的である。
13
Manipulator
Ty Segall
勢いだけで55分が過ぎてしまいそうな、ガレージサウンドのTy Segall。耳障りがいい。
12
Wysing Forest
Luke Abbott
今までは個人向けというかマニア向けだったが、若干大衆向けに改良されたものになった。初期クラフトワークやクラスターなどを連想させるような音数の少ない淡々としたシンセを使うのも特徴。
11
La Isla Bonita
Deerhoof
もう大分キャリアも長くなって来て、若手の勢い余った感じが取れて丸くなった感じがとてもいい。個人的な意見だともっと緩い感じになっても面白いと思う。
10年前くらいにテレビでPVを見たときの衝撃は今でも忘れられない。当時は本気で日本にすごいバンドが現れたと感激したのち、それがすぐにアメリカ発だったと知ったショックも大きかった。
10
More Than Any Other Day
Ought
カナダの若手なのかな。やや鼻にかかる歌声はClap Your Hands Say Yeahのようで、全体的に一発取りで自由度の高いアルバムになっている。
9
Something Shine
Laetitia Sadier
前作から早2年、レティシアが帰って来た。今回はレティシアがやりたい事をやっていると思う。なぜなら全体が掴みにくいものになっていて、家庭的というか田舎のレストランで出てくるような暖かみのある料理のようだ。もうステレオラブの影はなく、のんびりと音楽活動をしている感じがある。
8
Too Bright
Perfume Genius
第8位はパフュームジーニアス。圧倒的な変化で魅了した作品となった今作。すべての曲で身体の芯まで響く重厚なサウンドと彼の女性的で緊迫感のある歌声は秀逸。
7
Lost In The Dream
The War On Drugs
6
Xen
Arca
ベネズエラ出身だったらしいArca。独創的な世界はあのJackson & His Computer Bandにも通ずると思われる。
5
Everybody Robots
Damon Albern
デーモンアルバーンの新作がすごく良いというのは、もうフジロックが終わっていた頃だった。そんな去年は10年連続で行っていたフジロックに行かなかった。後悔はしなかったが今年は必ず行きたいと思う。
ここに来てデーモン一人でも充実したものを作るようになってきた。
4
Syro
Aphex Twin
彼の新作が出るなんて夢にも思わなかった。突然の発表からすぐにアルバムが出た。内容は今まで通り痛快なIDM、エレクトロニカだ。
14年間、何も変わっていない。
徹底的なドラムンベースやどこからつれて来たのかと思う女性の声。
変わっているとしたら、キャッチーになっている所だ。
そこがかわいい。
BEST#3
3
Are We There
Sharon Van Etten
今年のあっぱれはまずこのSharon Van Ettenだろう。1曲目から香ばしい匂いを漂わせてからのリード曲は素晴らしい流れだ。個人的にはNothing Will ChangeやOur Loveが好きだ。
彼女の低く厚みのある歌声もさることながら、バンドのレベルがそこまで高くないところが意外とマッチしているのかも。
今回は100点満点にはまだ足らないが、おそらくもう一度爆発して改革が行われればとんでもない化け物になって帰ってくる事だろう。
それを期待するか現状維持を期待するかはあなた次第。
2
…And Star Power
Foxygen
確か2013年にアルバムを出したばかりだから1年で制作したものだそうだ。ライブでは再現不可能じゃないのかと疑うような作りが目立ったが、展開は前作よりも2部構成やわざとらしさが無くなり、良い意味で普通のバンドがやりそうな具合になっていいる。
だが、大衆には全く受けないであろう構成のためか、各紙低評価のまま落ち着いている。
僕はこんなマニア向けな制作スタンスは非常に好きでヨダレが出る。特に''666''から''Wally's Farm''の流れは秀逸であり、後者の曲の音はずれ感は歴史に残るであろう。
大飛躍。
1
Pom Pom
Ariel Pink
第1位。
そんな個人的には不作の年だったが、彼のおかげでまずまず良い音楽生活が送れた年になったのも言うまでもない。アリエルピンクのいままでのバンドはそこまで好きではなく興味もほとんどなかった。ライブは素晴らしかったのは覚えている。
今作は完全に一人だけで制作したと言われている。70〜80年代の古き良きテレビやアニメの音楽と彼のピンク色の世界が融合して、独創的な音楽が登場したのだと思う。
全体的にこれ以上無いくらいポップで、カートゥーンで、あるときはロックで、あるときはエレクトロで、そしてすべてにおいて90年代以降のクリアなサウンドとは縁を切っているところも特徴。そこも僕好み。
とにかく徹底的に独自のスタイルを貫き、映像作品も頭を悩ませるような作品ばかりで、まさにアウトローだ。余談だが、Grimesがヒートアップしたツイッターでの女性差別バトルも大変面白かった。
歌詞も面白く、ナンセンスなエロティックの比喩やなぜかダメ人間の主人公が多い。
「君の番号を僕の携帯に打ってくれ。。。」(Put Your Number In My Phoneより)
おわり
Tyranny
Julian Casablanncas+The Voiz
21
Ghettoville
Actress
20
Its Album Time
Todd Terje
各紙高評価なのがよくわからないが、まったくノルウェーっぽくないサウンドを作るノルウェー人だなと改めて感じた。
19
Intercept
Pye Corner Audio&Not Waving
徹底したシンセとビートはかなり魅力的。
18
Morning Phase
Beck
Sea Changeの時と同じメンバーで制作したと聞いてすごく期待したこのアルバム。最近の彼のシングルがとてもノリの良いものになっていたこともあって久々の傑作の予感もした。結果は、ノリの良い曲は一つもなく、期待の方が遥かに上回ったものとなってしまった。
Sea Changeと何が違うのか教えてほしい。
17
Whorl
Simian Mobile Disco
だんだんこの人たちの作る音がマッチしていくような気がする。前作からそうだった。
16
Radio Rewrite
Steve Reich,Jonny Greenwood.etc
スティーブライヒのElectric Counterpointをピアノバージョンとジョニーのギターバージョンが収められていて、ジョニーの方は圧巻で去年100回くらい聴いたであろう。曲はピカイチだったがアルバムとしてはもの足らず。
15
American Interior
Gruff Rhys
一人でやるようになって、もう4作品目となった今作。今まで同様非常にコンセプティブで、ファーリーズとは全く違うものづくりとなっている。その部分では評価したいが正直感動は無かった。
14
Tomorrow's Modern Boxes
Thom Yorke
突如発表されたトムヨークの新作。ビットトレントという新しいハードでの展開となった。内容はビートの効いたエレクトロでどの曲も聞き応えが良い。レディオヘッドの彼と比べてしまっては邪道なのかもしれないが、消極的かつ内省的である。
13
Manipulator
Ty Segall
勢いだけで55分が過ぎてしまいそうな、ガレージサウンドのTy Segall。耳障りがいい。
12
Wysing Forest
Luke Abbott
今までは個人向けというかマニア向けだったが、若干大衆向けに改良されたものになった。初期クラフトワークやクラスターなどを連想させるような音数の少ない淡々としたシンセを使うのも特徴。
11
La Isla Bonita
Deerhoof
もう大分キャリアも長くなって来て、若手の勢い余った感じが取れて丸くなった感じがとてもいい。個人的な意見だともっと緩い感じになっても面白いと思う。
10年前くらいにテレビでPVを見たときの衝撃は今でも忘れられない。当時は本気で日本にすごいバンドが現れたと感激したのち、それがすぐにアメリカ発だったと知ったショックも大きかった。
10
More Than Any Other Day
Ought
カナダの若手なのかな。やや鼻にかかる歌声はClap Your Hands Say Yeahのようで、全体的に一発取りで自由度の高いアルバムになっている。
9
Something Shine
Laetitia Sadier
前作から早2年、レティシアが帰って来た。今回はレティシアがやりたい事をやっていると思う。なぜなら全体が掴みにくいものになっていて、家庭的というか田舎のレストランで出てくるような暖かみのある料理のようだ。もうステレオラブの影はなく、のんびりと音楽活動をしている感じがある。
8
Too Bright
Perfume Genius
第8位はパフュームジーニアス。圧倒的な変化で魅了した作品となった今作。すべての曲で身体の芯まで響く重厚なサウンドと彼の女性的で緊迫感のある歌声は秀逸。
7
Lost In The Dream
The War On Drugs
The Nationalのライブのオープニングで知ったこのバンド。歌声良し、曲のだらだら感も雰囲気も良し、小慣れた感良し。だけど何か物足りないんだよね。
6
Xen
Arca
ベネズエラ出身だったらしいArca。独創的な世界はあのJackson & His Computer Bandにも通ずると思われる。
5
Everybody Robots
Damon Albern
デーモンアルバーンの新作がすごく良いというのは、もうフジロックが終わっていた頃だった。そんな去年は10年連続で行っていたフジロックに行かなかった。後悔はしなかったが今年は必ず行きたいと思う。
ここに来てデーモン一人でも充実したものを作るようになってきた。
4
Syro
Aphex Twin
彼の新作が出るなんて夢にも思わなかった。突然の発表からすぐにアルバムが出た。内容は今まで通り痛快なIDM、エレクトロニカだ。
14年間、何も変わっていない。
徹底的なドラムンベースやどこからつれて来たのかと思う女性の声。
変わっているとしたら、キャッチーになっている所だ。
そこがかわいい。
BEST#3
3
Are We There
Sharon Van Etten
今年のあっぱれはまずこのSharon Van Ettenだろう。1曲目から香ばしい匂いを漂わせてからのリード曲は素晴らしい流れだ。個人的にはNothing Will ChangeやOur Loveが好きだ。
彼女の低く厚みのある歌声もさることながら、バンドのレベルがそこまで高くないところが意外とマッチしているのかも。
今回は100点満点にはまだ足らないが、おそらくもう一度爆発して改革が行われればとんでもない化け物になって帰ってくる事だろう。
それを期待するか現状維持を期待するかはあなた次第。
2
…And Star Power
Foxygen
確か2013年にアルバムを出したばかりだから1年で制作したものだそうだ。ライブでは再現不可能じゃないのかと疑うような作りが目立ったが、展開は前作よりも2部構成やわざとらしさが無くなり、良い意味で普通のバンドがやりそうな具合になっていいる。
だが、大衆には全く受けないであろう構成のためか、各紙低評価のまま落ち着いている。
僕はこんなマニア向けな制作スタンスは非常に好きでヨダレが出る。特に''666''から''Wally's Farm''の流れは秀逸であり、後者の曲の音はずれ感は歴史に残るであろう。
大飛躍。
1
Pom Pom
Ariel Pink
第1位。
そんな個人的には不作の年だったが、彼のおかげでまずまず良い音楽生活が送れた年になったのも言うまでもない。アリエルピンクのいままでのバンドはそこまで好きではなく興味もほとんどなかった。ライブは素晴らしかったのは覚えている。
今作は完全に一人だけで制作したと言われている。70〜80年代の古き良きテレビやアニメの音楽と彼のピンク色の世界が融合して、独創的な音楽が登場したのだと思う。
全体的にこれ以上無いくらいポップで、カートゥーンで、あるときはロックで、あるときはエレクトロで、そしてすべてにおいて90年代以降のクリアなサウンドとは縁を切っているところも特徴。そこも僕好み。
とにかく徹底的に独自のスタイルを貫き、映像作品も頭を悩ませるような作品ばかりで、まさにアウトローだ。余談だが、Grimesがヒートアップしたツイッターでの女性差別バトルも大変面白かった。
歌詞も面白く、ナンセンスなエロティックの比喩やなぜかダメ人間の主人公が多い。
「君の番号を僕の携帯に打ってくれ。。。」(Put Your Number In My Phoneより)
おわり